日本に本店を有する企業は、原則全世界で稼得した利益に対し、日本の法人税が課される事で課税関係は完結しますが、一定の取引の場合には、その取引が海外現地で稼得した利益と取り扱われ、その現地での課税が生じます。取引毎の課税有無の取り扱いは国及び租税条約により様々ですが、経済協力開発機構(OECD)が勧告するOECDモデル条約では所得の種類毎に一定の取り扱いを定めています。海外取引時に頻度の高いものとして、次のようなものが挙げられます。
OECDモデル条約では、不動産賃貸所得に関して、その不動産が所在する国での課税権を認めており、所在する国の税法に従うこととなります。例えば日本企業が海外に建物を保有し、海外現地の者から賃貸収入を得る場合には、その日本企業が得る賃貸収入に対して建物が所在する国で課税が生じます。
OECDモデル条約では、不動産売却益に関して、その不動産が所在する国での課税権を認めており、所在する国の税法に従うこととなります。例えば日本企業が海外に建物を保有し、海外現地の者にその建物を売却し売却益を得た場合には、その日本企業が得る売却益に対して建物が所在する国で課税が生じます。
OECDモデル条約では、配当所得に関し、配当を支払う者が所在する国での課税権を15%(親子間では5%)の上限で認めています。例えば日本企業が海外企業に出資しからその海外企業から配当を収受する場合には、その日本企業が収受する配当に対して海外企業が所在する国で課税が生じます。
OECDモデル条約では、受取利息に関し、利息を支払う者が所在する国での課税権を10%の上限で認めています。例えば日本企業が海外企業に貸し付けた貸付金に係る利息を収受する場合には、その日本企業が収受する利息に対して海外企業が所在する国で課税が生じます。
OEDDモデル条約では、使用料を著作権、特許権、ノウハウ等の使用料と定義し、使用料を支払う者が所在する国での課税権を認めていません。近年、日本もモデル条約に沿う傾向が見られますが、締約している条約の多くは所在地国での課税権を10%~15%の上限で認めています。例えば日本企業が海外企業からロイヤルテイーを収受する場合には、その日本企業が収受するロイヤルティーに対して海外企業が所在する国で課税が生じます。





